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共働きで在宅勤務、家事・育児の分担はどう変わる?現実と工夫

2026/08/02·読了 9分
#共働き#在宅勤務#家事分担#育児#リモートワーク
共働きで在宅勤務、家事・育児の分担はどう変わる?現実と工夫

朝はふたりでバタバタと支度をして、子どもを送り出し、それぞれの職場へ。夜は疲れて帰ってきて、残った家事を片づけながら「今日はどっちが洗濯物を畳む番だっけ」と探り合う。共働きの毎日は、仕事そのものよりも、その周りの段取りに削られている感覚があります。だからこそ、片方あるいは両方が在宅勤務になると聞くと、「これで家事も育児も、少しは楽に回せるのでは」という期待がわいてきます。

その期待は、半分は正しくて、半分は油断できません。結論から言えば、在宅勤務は共働きの分担を楽にする面が確かにありますが、放っておくと「家にいるほうが全部やる」という偏りが生まれやすいのも事実です。通勤という物理的な壁がなくなるぶん、家事や育児に動ける余白は増えます。ただ、その余白を誰の負担にするかを決めておかないと、在宅側にだけしわ寄せがいきます。今日は、在宅で共働きの分担がどう変わるかを、良い面も苦しい面も正直に整理し、最後は仕組みで分担を決める工夫まで届けます。

在宅勤務は共働きの家事育児分担をどう変えるか

まず、在宅勤務が分担に効く理由を素直に見ていきます。いちばん大きいのは、通勤の往復にかかっていた時間と体力が、まるごと家事や育児に回せることです。片道1時間の通勤なら、往復で1日2時間。この2時間があれば、保育園の送り迎え、夕食の下ごしらえ、洗濯を回すといった作業に、確実に手を付けられます。帰宅してぐったりしてから家事を始めるのと、日中に少しずつ片づけておくのとでは、夜の余裕がまるで違います。

もうひとつは、急な対応に動けることです。子どもが保育園で熱を出した、宅配便の再配達が来た、洗濯機が終わった。こうした「今すぐ動けば数分で済むこと」に、在宅なら仕事の合間に対応できます。通勤していると早退や中抜けの相談が要る場面でも、在宅なら会議のない15分でこなせてしまう。この即応性は、共働きにとって想像以上に大きな助けです。子育てと在宅勤務の相性については、リモートワークと育児の両立でもう少し踏み込んで整理していますので、あわせて読んでみてください。

ただし、ここで大事な注意があります。就労時間中に子どもを見ながら働けるわけではありません。在宅で浮くのはあくまで通勤ぶんの時間であって、日中の保育は通勤勤務と同じく必要です。「在宅だから保育園に入れなくていい」と考えると、仕事も育児も回らなくなります。在宅が変えるのは「見ながら働けるか」ではなく、「その前後や合間に動けるか」だと押さえておくのが安全です。

落とし穴は「家にいるほうが全部やる」という偏り

ここからが本題です。在宅勤務の恩恵は確かにあるのですが、それがそのまま公平な分担につながるとは限りません。むしろ、在宅している側に家事や育児が自然と集中していくという現象が、多くの家庭で起きます。

理由はいくつも重なっています。ひとつは物理的な近さです。家にいれば、洗濯機の終了音も、たまった食器も、子どもの「おなかすいた」も、全部その人の目と耳に入ります。気づいた人がやる、という暗黙のルールのもとでは、気づく機会が多い在宅側の負担が増えるのは当然です。もうひとつは、外で働く側の「家にいるんだから、ついでにやってくれるよね」という期待です。悪気はなくても、この期待が積み重なると、在宅側は「自分の仕事の合間に家事を差し込む」のが常態になり、集中も細切れになります。

さらに厄介なのは、この偏りが数字に見えにくいことです。一般的に、家事や育児の負担は片方に偏りやすいと言われますが、在宅が加わると「時間があるように見える人」に寄せる圧力が強まります。在宅側は仕事を中断して家事をしているのに、外から見ると「暇そうに家で家事もこなしている」と誤解される。この見えにくさこそが、在宅側の疲弊とすれ違いを生む最大の原因です。だからこそ、偏りは「気づいた人がやる」に任せず、原因を分けて対策する必要があります。

偏りが起きやすい原因

対策

在宅側が家事に気づく機会が多く、つい手を出してしまう

「気づいた人がやる」をやめ、担当と時間帯を固定する

外で働く側の「ついでにやってくれる」という無意識の期待

在宅も就労時間中は仕事だと共有し、家事は勤務外に回す

在宅側の家事が中断作業で、負担が数字に見えない

週1回、実際にやった家事育児を口頭で棚卸しする

保育や学童を「在宅だから減らせる」と考えてしまう

保育の利用は在宅でも通勤時と同じ水準を基本にする

急な対応がいつも在宅側に集中する

発熱時のお迎えなどは事前に順番を決めておく

両方が在宅のときに起きる、会議とスペースの取り合い

片方だけが在宅なら、分担の偏りが主な論点です。ところが両方が在宅になると、別の種類の摩擦が加わります。同じ家の中で、ふたりが同時に仕事をするための空間と時間の奪い合いです。

まず会議の時間帯がかぶります。ふたり同時にオンライン会議が入ると、子どもを見る人がいなくなり、生活音を気にしながら別々の部屋に散らばることになります。ワンルームや2部屋の住まいだと、そもそも静かに話せる場所が足りません。次にスペースです。集中できる机が1つしかない、通信環境の良い部屋が限られている、といった物理的な制約が、毎日の小さなストレスになります。そして案外見落とされるのが、オンオフの切り替えです。ふたりとも家にいると、仕事の延長でつい家事の話や子どもの相談が挟まり、どちらの仕事も細切れになりがちです。

これらは根性ではなく段取りで減らせます。朝のうちにお互いの会議の時間帯を共有し、「この時間はどちらが子どもと家事を見るか」を先に決めておくだけで、当日の混乱はかなり収まります。スペースは、時間で分けるのも手です。午前は片方が個室、午後は交代、といった具合に、場所そのものを分担にのせてしまいます。共働きの在宅は、家事育児だけでなく、仕事環境まで含めて分担の対象になる、と考えると整理しやすくなります。

ケース

分担の工夫

片方が在宅、片方が出社

在宅側に寄りがちな家事を担当制で固定し、出社側は帰宅後や休日の重い家事を受け持つ

両方が在宅

会議の時間帯を朝に共有し、子どもと家事を見る担当を時間で交代する

両方が在宅で個室が足りない

午前と午後で作業スペースを入れ替え、静かな部屋を会議の多い側に譲る

両方が出社の日

前日の夜に翌朝の段取りを決め、朝家事を分けて片方に集中させない

子どもの急な発熱

お迎えや看病の順番をあらかじめ決め、その日の会議を減らせる側が動く

両立しやすさは出社頻度で決まる、というNoTrainの視点

ここまで、在宅での分担の工夫を整理してきました。ただ、工夫の前提として効いてくるのが、そもそもの出社頻度です。どれだけ家庭内で分担を設計しても、片方が週に何度も長時間の通勤を強いられていれば、その人が動ける時間は物理的に削られます。分担の偏りは、家庭内の話であると同時に、働き方そのものの制約でもあります。

これは育児だけの話ではありません。親の通院や介護が重なると、通勤時間の有無がそのまま対応できるかどうかを分けます。介護と仕事の両立は通勤があると難しくなるで書いたとおり、平日日中に動ける余白があるかどうかは、家庭の事情と両立できるかの分かれ目です。共働きで家庭側の負担が大きい局面では、片方の出社頻度を下げられるかが、分担全体の効きを左右します。実際に働き方を変えて両立を立て直した例は、ワーママのフルリモート転職のコツにまとめています。

私たちNoTrainは、この「出社頻度」を軸に求人を検証しています。掲載しているのは、ビジネス職で出社が週2日以下の求人にしぼった約76件です。そのうち通勤ゼロ、つまりフルリモートで働けるものが約9割を占めます。数字は求人票の記載を人の目で確認して集計したもので、募集の状況によって増減しますし、企業側の運用が変わることもあるため、あくまで検証時点の目安としてご覧ください。それでも、出社頻度で求人を絞れるだけで、共働きの分担設計はぐっと現実的になります。分担の工夫は家庭の努力ですが、その努力が報われる働き方かどうかは、仕事選びの段階で決まっているからです。

最後にまとめます。在宅勤務は共働きの家事育児を楽にする面がありますが、放っておくと在宅側に負担が偏ります。分担は「気づいた人がやる」ではなく、担当と時間帯を決める仕組みで動かすのが要点です。両方在宅なら、家事育児だけでなく会議やスペースまで含めて先に段取りをする。そして、そもそも動ける余白があるかは出社頻度で決まります。家庭の事情とちゃんと両立できる働き方を、仕事選びの入り口から確保していきましょう。

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