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働き方・キャリア

「小1の壁」で退職する前に──仕事を続けるための選択肢と、リモートという答え

2026/06/18·読了 9分
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「小1の壁」で退職する前に──仕事を続けるための選択肢と、リモートという答え

子どもの小学校入学が近づくにつれて、「このまま今の働き方を続けられるんだろうか」と不安になって検索したあなたは、けっして大げさではありません。「小1の壁」は、気合いや工夫が足りないから直面するものではなく、保育園と小学校の仕組みの違いから生まれる、誰にでも起こりうる構造的な問題だからです。

先に結論をお伝えします。「小1の壁」で仕事を続けられないと感じたとき、退職は最後の選択肢にすべきです。学童・時短・親の助けといった対症療法を試す前に、あるいはそれと並行して、検討する価値があるのが「出社頻度の低い働き方への転換」です。この記事では、壁の正体を整理したうえで、退職の前に取れる選択肢を順に並べ、なぜリモートという働き方が現実的な答えになりうるのかを、ビジネス職の視点で具体的にお話しします。

「小1の壁」とは何か──なぜ保育園より大変になるのか

「小学校に上がれば、保育園より手がかからなくなる」——そう思っていた人ほど、入学後のギャップに戸惑います。実際には、共働き家庭にとって小学校入学は「預け先のレベルダウン」になりやすいのです。

主な要因を整理すると、次のようになります。

  • 預かり時間が短くなる:保育園は19時前後まで預かってくれるところも多い一方、学童保育は18時で閉まる施設が少なくありません。延長があっても定員や条件がつくことがあります。
  • 学童に入れるとは限らない:地域によっては学童の希望者が多く、フルタイム勤務でも入所できない、いわゆる「学童落ち」が起こります。
  • 長期休みの壁:夏休み・冬休みは給食がなく、毎日の弁当づくりと、朝から夕方までの居場所の確保が必要になります。
  • 行事と平日対応の増加:保護者会、授業参観、PTA、家庭訪問など、平日日中に親の参加を求められる場面が増えます。
  • 「もう小学生だから」というプレッシャー:宿題の音読チェック、持ち物の準備、登校しぶりへの対応など、目に見えない家庭内の負担が一気に増えます。

つまり「小1の壁」とは、子どもの預かり時間が短くなるのに、親に求められる関与は増えるという、需給がちぐはぐになる時期のこと。だからこそ、これまで回っていた働き方が突然回らなくなるのです。

データで見る「小1の壁」と仕事への影響

感覚的な話に留めず、世の中の傾向も確認しておきましょう。

スリール社の調査では、約4割が「小1の壁」をきっかけに働き方の変更を検討し、そのうち時短など社内での調整を考えた人が約5割、退職やパートへの転換を考えた人が約3割にのぼりました(スリール「小1の壁」に関する調査)。さらに、子どもが小学校に上がるタイミングで母親の就労率が低下する傾向も指摘されています(マイナビキャリアリサーチLab)。これは「壁」が個人の頑張りの問題ではなく、社会全体で起きている現象であることを裏づけています。

数字の細かさよりも大切なのは、「続けたいのに続けにくい」と感じているのはあなただけではないという事実です。多くの人が同じ岐路に立ち、その中には惜しまれながら辞めていく人も少なくありません。だからこそ、辞める前に選択肢を全部テーブルに並べてみる価値があります。

退職の前に取れる選択肢を、順に並べてみる

「もう辞めるしかない」と感じているときほど、視野が狭くなりがちです。まずは退職以外の打ち手を、負担の軽いものから順に整理しましょう。

1. 制度を使い切る(学童・時短・延長)

最初に検討すべきは、今ある制度を最大限使うことです。

  • 学童保育・民間学童・ファミリーサポートの併用
  • 勤務先の時短勤務やフレックス制度の活用
  • 始業・終業時刻の調整、コアタイムの見直し

ただし、これらは「時間をやりくりする」対症療法です。預かり時間が短くなる根本は変わらないため、長期休みや子どもの体調不良のたびに同じ綱渡りを繰り返すことになります。効果はありますが、これ"だけ"で乗り切ろうとすると消耗しやすいのが正直なところです。

2. 部署異動・職務変更を相談する

次に、今の会社の中で働き方を変えられないかを探ります。出社が必須でない部署への異動や、外回りから内勤への変更などが選択肢になります。会社に残れるのが利点ですが、希望が通るとは限らず、タイミングにも左右されます。

3. 働き方そのものを変える(出社頻度の転換)

そして、見落とされがちなのに最も効くのが、「出社する」という前提そのものを外すことです。

考えてみてください。小1の壁の負担の多くは、「決まった時間に、決まった場所(職場)にいなければならない」という制約から生まれています。朝の登校を見送れない、放課後に間に合わない、急な早退や呼び出しに動けない——これらはすべて、通勤と出社を前提にした働き方とセットの悩みです。

ならば、その前提を外せば、悩みの大部分は構造ごと消えます。退職して仕事を手放すのではなく、出社頻度の低い仕事に変える。これが、対症療法ではない根本解決です。

なぜ「リモートへの転換」が小1の壁の根本解決になるのか

リモートワーク、あるいは出社頻度の低い働き方が小1の壁に効くのは、時間をやりくりするのではなく、制約そのものをなくすからです。

具体的に、何が変わるのかを見てみましょう。

  • 登校・帰宅の時間に家にいられる:「いってらっしゃい」と「おかえり」を言える。学童に頼り切らなくても、放課後の居場所を確保しやすくなります。
  • 通勤時間が丸ごと家庭時間になる:往復の通勤がなくなれば、その分を朝の準備や宿題の見守りに充てられます。
  • 長期休みでも働ける:子どもが家にいる夏休みも、出社せずに仕事を続けやすくなります。
  • 急な対応に動きやすい:体調不良の呼び出しや学校行事に、移動時間のロスなく対応できます。

もちろん、リモートワークは万能薬ではありません。在宅で子どもを見ながら集中して働くには工夫が要りますし、フルリモートではなく週1〜2の出社が残る形もあります。それでも、「毎日決まった時間に出社する」働き方と比べれば、選べる時間の自由度は段違いです。学童や時短が「壁の高さを少し低くする」打ち手だとすれば、出社頻度の転換は「壁の前提を作り替える」打ち手なのです。

NoTrainの視点──「リモート可」を鵜呑みにしない

ここでひとつ、現実的な注意点をお伝えします。求人票に「リモート可」と書いてあっても、その実態は会社によってまったく違うということです。

「リモート可」とだけ書かれていても、

  • 実際は週3〜4日出社で、たまに在宅できる程度
  • 試用期間中は毎日出社が必須
  • 部署や職種によってはリモート対象外

といったケースは珍しくありません。小1の壁を越えるために転職したのに、入ってみたら結局ほぼ毎日出社だった——これでは本末転倒です。

だからNoTrainは、求人を「リモート可」というあいまいな言葉のままにせず、求人原文で出社頻度を確認し、「通勤ゼロ(フルリモート)/週1通勤/週2通勤」という独自の軸で分類しています。あなたが本当に知りたいのは「リモートできるかどうか」ではなく、「週に何回、決まった時間に家を出なければならないのか」のはずです。その一点を、ごまかさずに見られるようにしています。

そして、もうひとつ大事な主張があります。それは、ビジネス職こそリモートに向いているということ。営業、マーケティング、カスタマーサクセス、事務、コーポレート——「対面が当たり前」と思われがちな職種ほど、実はオンラインで完結できる業務が増えています。「自分の仕事はリモートにできない」という思い込みこそ、小1の壁の前で立ち止まらせる一番の壁かもしれません。

まとめ──辞める前に、働き方を変えるという選択を

「小1の壁」は、あなたの頑張りが足りないから直面するものではありません。預かり時間が短くなるのに親の関与は増えるという、仕組みのズレから生まれる構造的な問題です。

だからこそ、対処法も「もっと頑張る」ではなく、前提を作り替える方向で考えてください。

  • まずは学童・時短など、今ある制度を使い切る
  • 社内での異動・職務変更を相談する
  • そして、出社という前提そのものを外せる働き方を検討する

退職は、いつでもできます。でもその前に、仕事を続けながら家庭時間も取り戻せる「出社頻度の低い働き方」という選択肢を、一度ちゃんと並べてみてほしいのです。仕事を手放さずに済む道は、思っているより残されています。

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