
通勤定期を更新するその手を、一度止めてみる。
半年に一度、当たり前のように通勤定期を更新する。その手続きは、実は「この働き方をあと半年続けます」という契約の更新でもあります。無意識に押しているそのボタンを、一度だけ止めて考えてみませんか。
働き方・キャリア

平日の朝。目覚まし時計が鳴った瞬間から、時間との戦いが始まります。自分の身支度をしながら朝食を作り、子どもを起こし、着替えさせ、保育園の準備をし、それぞれが電車の時間に間に合うように家を飛び出す。共働きの家庭にとって、朝はまさに戦場です。毎朝この慌ただしさを乗り切っている人は、それだけで本当によく頑張っています。
でも、少し考えてみてほしいのです。なぜ、共働きの朝はこれほどまでに戦場になるのでしょうか。 家事や育児の量が多いから、というのはもちろんあります。けれど、それ以上に効いている前提があります。二人とも「決まった時間に、決まった場所へ、家を出なければならない」という制約を、同時に抱えていることです。今日は、共働きの朝の慌ただしさを、この通勤という前提から考え直してみます。
共働きの朝がつらいのは、時間の「締め切り」が二人分あるからです。夫も妻も、それぞれ電車の時間、始業の時間という動かせない締め切りを持っている。その二つの締め切りに向かって、家事も育児も自分の準備も、すべてを間に合わせなければなりません。
締め切りが一つでも大変なのに、二つが同じ時間帯に重なると、朝は一気に過密になります。片方が子どもの世話をすれば、もう片方は家を出る準備が遅れる。両方が自分の準備を優先すれば、子どもの支度が回らない。限られた朝の時間に、二人分の「間に合わせなければならないこと」がぎゅうぎゅうに詰め込まれている。これが、共働きの朝が戦場になる構造です。そしてこの構造の根っこには、二人ともが通勤という時間の縛りを持っていることがあります。
ここで想像してみてください。もし、二人のうちどちらか一方の通勤がなくなったら、朝はどう変わるでしょうか。
在宅で働ける側には、「電車の時間に間に合わせる」という締め切りがなくなります。すると、その人は朝の時間に余裕が生まれ、子どもの支度や朝食に落ち着いて向き合えます。もう一方が家を出る準備をしているあいだ、在宅側が子どもを見ていられる。朝のタスクを、時間に追われずに二人で回せるようになります。締め切りが二つから一つに減るだけで、同じ家事量でも朝の密度はまるで変わるのです。
さらに、両方が在宅で働けるなら、朝はもっと穏やかになります。二人とも家を出る必要がなければ、子どもを送り出してから、それぞれ落ち着いて仕事を始められる。あの、時計とにらめっこしながら全員で飛び出す朝が、過去のものになります。共働きの朝の戦場は、家事の量そのものより、通勤という締め切りが生んでいた面が大きいのです。
多くの共働き家庭は、朝の慌ただしさを「共働きなんだから仕方ない」と受け入れています。二人で働く以上、朝がバタバタするのは当然の代償だ、と。
でも、本当にそうでしょうか。戦場のような朝は、共働きそのものが生んでいるのではなく、「共働き」と「二人とも通勤」の組み合わせが生んでいるのかもしれません。だとすれば、共働きをやめなくても、通勤という前提のほうを一つ外すことで、朝はずいぶん変えられます。変えられない前提だと思って諦めていたものが、実は選び直せる前提だったという可能性は、一度検討する価値があります。二人で働き続けながら、朝の戦場だけを手放す。それは十分に現実的な選択です。
こう話すと、「では夫婦のどちらが在宅の働き方に移るのか」で意見が分かれるかもしれません。二人とも通勤をやめられれば理想ですが、現実には片方から、ということも多いはずです。
ここで大事なのは、これを「どちらが得をするか」の綱引きにしないことです。在宅になった側だけが楽になるのではなく、朝の締め切りが一つ減ることで、家庭全体の慌ただしさがやわらぎます。出社する側にとっても、朝の支度を落ち着いて進められ、子どものことを片方に任せられるのは大きな助けです。在宅への移行は、個人の勝ち負けではなく、家庭というチームの働き方の見直しだと捉えると、話し合いはずっと前向きになります。まずは動きやすいほう、通勤負担の大きいほう、あるいは職種的にリモートに移りやすいほうから、と考えていけば、対立にはなりません。
朝を変えるために、どちらかがキャリアや収入を諦める必要はありません。営業でも企画でも事務でも、通勤ゼロや週1・週2出社で働けるビジネス職の仕事は、実際に存在します。夫婦のどちらか、あるいは両方が、そうした働き方に移れば、家庭の朝の構造そのものが変わります。ただし、求人票の「リモート可」を額面どおりに受け取らないこと。実際は週の大半が出社で、結局また二人分の締め切りに追われる朝に戻ってしまうこともあります。本当に朝の締め切りを減らせるかは、出社頻度の事実で確かめる必要があります。
NoTrainは、掲載する求人について、実際にどれくらい出社するのかを募集要項の原文まで確かめています。共働きで家庭を回しながら働く二人が、朝の戦場から抜け出す選択を、事実にもとづいてできるようにするためです。
共働きの朝が戦場になるのは、家事や育児の量だけが理由ではありません。夫も妻も「決まった時間に家を出る」という締め切りを同時に抱えていることが、朝の時間を過密にしています。この通勤という締め切りを、どちらか一方でも外せれば、同じ家事量でも朝の余裕はまるで変わります。「共働きだから仕方ない」と諦める前に、通勤という前提のほうを見直してみてください。共働きは続けたまま、朝の戦場だけを手放すことは、できるのです。
家庭の朝に、少しの余裕を取り戻したい人へ。NoTrainのニュースレターでは、出社頻度を事実まで確かめたビジネス職のリモート求人を、毎週お届けしています。二人で働き続けながら暮らしを整える一歩として、よければ登録してみてください。

半年に一度、当たり前のように通勤定期を更新する。その手続きは、実は「この働き方をあと半年続けます」という契約の更新でもあります。無意識に押しているそのボタンを、一度だけ止めて考えてみませんか。

通勤がつらいから転職したい。そう思っても、「そんな理由で辞めるのは甘えでは」とためらう人は少なくありません。でも、毎日の通勤は生活の質を確実に左右します。通勤を理由に働き方を変えることは、わがままでも甘えでもないという話。

昇進すれば、もっと働きやすくなる。そう信じて頑張ってきたのに、いざ役職が上がっても、朝の憂鬱な通勤は変わらないまま。むしろ責任だけが増えていく。キャリアの階段を登ることと、毎日の暮らしが楽になることは、別の話かもしれません。