
フルリモートの仕事にはどんな職種がある?ビジネス職の種類となりやすさ
在宅で働けるのはエンジニアやデザイナーだけ、と思っていませんか。実際にはカスタマーサクセスや営業、マーケティング、コーポレートといったビジネス職にもフルリモートの仕事は幅広くあります。職種ごとの内容となりやすさを整理しました。
リモートの実態・見分け方

「未経験だと、フルリモートなんて夢のまた夢なのでは」。求人サイトで在宅の仕事を探しはじめた人ほど、早い段階でそう感じます。条件を絞り込むほど応募要件に「実務経験◯年以上」の一文が並び、未経験の自分が入り込む余地がどこにあるのか見えなくなってくるからです。
先に、この記事の結論をお伝えします。未経験からフルリモートのビジネス職に就くことは、不可能ではありません。ただし、いきなり通勤ゼロの正社員を勝ち取るのは、正直に言ってかなりの狭き門です。近づくためには順番があり、そこを飛ばそうとすると空回りします。逆に言えば、段階を踏めば、思っているより現実的にたどり着けます。
この記事では、根拠のない「誰でもできます」も、突き放すような「やめておけ」も避けます。まず数字で現実を見て、なぜ未経験が不利になりやすいのかを理解し、そのうえで確度を上げる進め方をお伝えします。
まず現実を直視しましょう。NoTrainでは、営業や企画、事務といったビジネス職のリモート求人について、求人票の文言だけでなく出社頻度の実態を一件ずつ確認したうえで掲載しています。その掲載基準で集計した約76件時点のデータを見ると、傾向がはっきり出ています。
通勤ゼロ、つまり原則出社なしの求人が全体の約9割。雇用形態では正社員が約88%を占めています。ここだけ切り取ると「フルリモートの正社員はたくさんあるじゃないか」と思えます。ところが、同じ母集団のうち未経験可の求人は約32%にとどまります。3件に1件です。
この数字の意味するところは重いです。フルリモートで働ける正社員の椅子は増えてきたけれど、その多くは経験者向けに開かれている、ということです。企業から見れば、対面でこまめにフォローできないリモート環境で、育成が必要な人をゼロから採るのはリスクが大きい。だから未経験可の枠は絞られます。
さらに現場の肌感覚として付け加えておくと、この「未経験可の約32%」の中身も一様ではありません。正社員としての未経験可はさらに少なく、契約社員や業務委託、アルバイト系のほうが未経験には門戸が広い傾向があります。つまり「未経験でいきなり通勤ゼロの正社員」というもっとも望ましい組み合わせは、全体で見ればごく一部しか存在しないのが実情です。ここを最初のゴールに設定すると、多くの人が長い足踏みを強いられます。
雇用形態ごとの傾向を、もう少し整理してみます。
雇用形態 | 未経験可の多さ | 特徴・注意 |
|---|---|---|
正社員 | 少ない | 待遇は安定するが、未経験可の枠は狭く競争が激しい。経験者と同じ土俵になりやすい |
契約社員 | 中くらい | 未経験でも入りやすく実務経験を積める。更新前提が多く、正社員登用の有無を要確認 |
業務委託 | 多い | 実力次第で始めやすい反面、収入が不安定になりやすく、社会保険や労務管理は自己責任 |
アルバイト・パート | 多い | 在宅の入り口として現実的。時給ベースで収入は上がりにくいが、まず実績を作る場に向く |
大事なのは、正社員という一点にこだわりすぎないことです。契約社員や業務委託で在宅の実務を半年から1年積むことが、次の正社員フルリモートへの最短ルートになる場合が少なくありません。遠回りに見えて、実は近道です。
数字の背景にあるのは、リモートという働き方そのものの性質です。未経験者が不利になりやすい理由は、大きく3つに分けられます。
1つ目は、自己管理を前提にした働き方であること。オフィスなら上司や先輩の目があり、詰まっていれば誰かが気づいて声をかけてくれます。在宅では、自分から進捗を発信し、手が止まったら自分で助けを求めにいく必要があります。仕事の型がまだ体に入っていない未経験者にとって、この「一人で回す」前提はハードルが高く、採用側もそこを不安視します。
2つ目は、育成、いわゆるOJTの難しさです。新人教育の多くは、隣で作業を見せたり、こまめに雑談ベースで質問を拾ったりする、対面ならではの偶発的なやりとりで成り立っています。画面越しだと、この「ちょっといいですか」の敷居が上がり、教える側の負担も増えます。だからこそ企業は、育成コストを吸収できる経験者を優先しがちなのです。
3つ目は、成果が見えにくいこと。リモートでは働く姿が見えないぶん、評価はアウトプットに寄ります。経験者なら過去の実績で信頼を先払いできますが、未経験者はまだ見せられる成果がありません。「この人はきちんと仕事を進められる」という証明が手元にないことが、書類選考の段階で響いてしまいます。
裏を返せば、この3つを一つずつ潰していけば、未経験というハンデは着実に小さくできます。次に、その具体的な進め方を見ていきます。
やみくもに応募数を増やしても、母数の少ない未経験可フルリモート求人では消耗するだけです。順番に土台を作りましょう。
ステップ1。自分のスキルを言語化する。 未経験と一口に言っても、これまでの仕事や生活で身につけた力は必ずあります。「関係者との調整が得意」「Excelで数字をまとめて共有するのが速い」など、リモートで役立つ要素を具体的な行動として書き出します。曖昧な自己PRではなく、再現できる行動に落とすのがコツです。
ステップ2。近い実務の経験を先に積む。 いきなり本命を狙う前に、隣接する仕事で実績を作ります。副業やクラウドソーシングでカスタマーサポートの対応をする、知人の会社のバックオフィスを手伝うなど、小さくても「在宅で仕事を回した」記録を残します。この記録が、後の応募で効いてきます。
ステップ3。最初はハイブリッドや出社ありも視野に入れる。 完全在宅にこだわらず、まず出社を含む形でその職種の実務経験を積む選択も現実的です。半年から1年で仕事の型を身につければ、経験者としてフルリモート求人に応募できます。前述のとおり未経験可の正社員フルリモートは限られるため、この迂回が結局は早いことが多いのです。
ステップ4。数字で語れる成果を用意する。 「問い合わせ対応を月◯件こなし、返信までの時間を平均◯時間短縮した」のように、成果を数値で示せると強い説得力が生まれます。リモートで評価される人は例外なく、自分の貢献を数字と事実で説明できます。今の仕事からでも計測を始めておきましょう。
ステップ5。リモートを前提に設計された会社を選ぶ。 制度として在宅を後付けした会社と、創業時からフルリモートで運営してきた会社では、未経験者の受け入れ体制がまるで違います。後者はオンラインでの育成やドキュメント文化が整っていることが多く、未経験でも立ち上がりやすい環境が用意されています。求人を見るときは、リモートの「本気度」に注目してください。
同じビジネス職でも、未経験からリモートで入りやすい職種には偏りがあります。狙いを定めるための目安を整理します。
職種 | 未経験の入りやすさ | 準備すること |
|---|---|---|
一般事務・オンライン事務 | 入りやすい | 基本のPCスキルとタイピング速度、ビジネスチャットへの慣れ。丁寧で速いテキスト対応 |
カスタマーサポート | 入りやすい | 文章での分かりやすい説明力、感情的にならない対応力。マニュアルを読み込む姿勢 |
インサイドセールス | 中くらい | 電話やオンラインでの会話力、ヒアリング。断られても続ける粘り強さと記録の習慣 |
Webマーケティング補助 | やや高い | SNS運用や記事作成、簡単な数値分析。小さくても発信や運用の実績を作っておく |
経理・労務アシスタント | 中くらい | 簿記や給与計算の基礎知識。数字への正確さと、期日を守る自己管理力 |
どの職種にも共通するのは、テキストで正確にやりとりする力と、指示待ちにならず自分から動く姿勢です。この2つは、未経験のうちから意識して鍛えておくと、面接でも実務でも効いてきます。
ここからはNoTrainとしての本音です。未経験の人ほど、求人票に書かれた「リモート可」を鵜呑みにしないでほしいと考えています。
なぜなら、経験や交渉の材料が少ない未経験者は、入社後に足元を見られやすい立場だからです。「原則在宅」と聞いていたのに、入ってみたら「最初の3か月は毎日出社」「実際は週の半分は来てもらう」といった話に変わる。こうしたズレは、リモートに慣れていない未経験者ほど、事前に見抜きにくいものです。
だからNoTrainでは、掲載する求人について、募集要項に並ぶ言葉だけを信じずに、実際の出社頻度がどう書かれているのかを一件ずつ原文まで当たって確認しています。「リモート可」の四文字の裏に、どれくらいの出社が隠れているのか。そこを人の目で読み解いて、通勤ゼロなのか、月数回はあるのかを見えるようにしています。未経験でこれから飛び込む人にとって、この一次確認は、入社後の「話が違う」を防ぐ盾になります。
未経験からフルリモートのビジネス職を目指す道は、平坦ではありません。自社の検証データが示すとおり、フルリモートの正社員の多くは経験者に開かれ、未経験可の枠は限られ、しかもその中でも通勤ゼロの正社員はごく一部です。それでも、スキルを言葉にし、近い実務で実績を作り、数字で語れる成果を持って、リモート前提の会社を選ぶ。この順番を踏めば、可能性は確実に上がります。
焦って母数の少ない求人に飛び込むより、半年後に「経験者」として応募できる自分を作るほうが、結果的に近道になることが多いです。あなたの一歩を、遠回りにしないための情報を、これからも届けていきます。求人の探し方やリモートの見極め方をまとめたニュースレターも配信しているので、気になる方は登録して受け取ってみてください。

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フルリモートの求人は業務委託や契約社員ばかりで、正社員はほとんどないのでは。そんな不安に、自社の検証データと具体的な見極め手順で答えます。正社員の完全在宅はちゃんと存在します。ただし求人票の読み方には少しコツが要ります。