
一日が「自分のもの」になるのは、何時からですか。
起きて、身支度をして、満員電車に乗って、会社に着く。ようやく一息つく頃には、朝のいちばんいい時間は終わっています。あなたの一日が本当に「自分のもの」になるのは、何時からでしょうか。奪われている朝を、数えてみます。
働き方・キャリア

「通勤手当がなくなるらしい」「在宅手当に変わるって本当?」。転職や社内の制度変更をきっかけに、こんな話を耳にした人は少なくないはずです。結論から言えば、毎日定期代をまるごと支給する形は、在宅勤務の広がりとともに見直しが進んでいます。代わりに登場しているのが、光熱費や通信費を補う在宅勤務手当です。
ただ、これは「損になる」「得になる」と単純に言い切れる話ではありません。手当の種類によって税金の扱いが違い、自分の出社頻度によって手取りへの影響も変わるからです。この記事では、何がどう変わりつつあるのかを整理し、求人を見るときに手当体系をどう確認すればいいかまでをまとめます。
通勤手当は本来、「自宅から職場まで毎日通う」ことを前提にした制度です。多くの企業が1か月や3か月、6か月の定期代を基準に支給してきました。
ところが在宅勤務やリモートワークが定着すると、この前提が崩れます。週に1〜2回しか出社しない社員に、毎月フルの定期代を払うのは実態と合わない。そう考える企業が出てくるのは自然な流れです。
そこで広がっているのが、次のような切り替えです。
つまり「通勤手当の廃止」と「在宅勤務手当の登場」は、多くの場合セットで起きています。会社にとっては、使われない定期代を払い続けるより、実際の働き方に合わせた支給に切り替えたい、という発想です。
実際、テレワークを実施する企業のうち在宅勤務手当を導入しているのは約3割というデータがあり(月刊総務の調査)、月額は3,000〜5,000円が最も多い水準です。通勤手当の縮小と在宅手当の新設は、すでに数字にも表れ始めています。
在宅勤務手当(テレワーク手当)は、自宅で働くことで発生する費用を補うために支給されるお金です。具体的には次のような負担を想定しています。
支給の形は会社によってさまざまで、毎月決まった額を出す「定額型」もあれば、初期費用として一度だけ支給する「一時金型」もあります。金額も数千円程度から、それなりにまとまった額まで幅があります。
ここで注意したいのが、支給の形によって税金の扱いが変わるという点です。
毎月固定額で「在宅勤務手当◯円」と一律に支給される場合、その多くは給与の一部とみなされ、課税の対象になります。つまり額面が増えても、そのぶん所得税や社会保険料の計算に乗ってくるため、手取りベースでは額面どおりには増えないことがあります。
一方で、実際にかかった通信費や電気代を合理的に計算して精算する形であれば、業務に必要な費用の補填として課税対象外になる場合があります。会社が国税庁の示す計算方法などにもとづいて精算しているかどうかで、扱いが分かれてきます。
細かい判定は会社の制度設計や個別の状況によるため、ここでは「同じ金額でも、一律手当か実費精算かで手取りへの影響が違うことがある」という点を押さえておけば十分です。気になる場合は、勤務先や応募先の制度の中身を確認するのが確実です。
通勤手当の廃止が自分にとって得か損かは、ほぼ自分の出社頻度で決まります。
ほぼ出社しない・フルリモートの人にとっては、もともと使っていない定期代がなくなっても実害は小さく、新設された在宅勤務手当のぶんだけプラスになりやすい構図です。自宅の光熱費や通信費の負担が増えている人ほど、在宅手当の意味は大きくなります。
週に何度か出社する人は、見方が分かれます。定期代の支給がなくなって実費精算に変わった場合、出社が多い月は交通費の立て替えが発生し、後から精算する手間も増えます。出社頻度によっては、定期代を買うより実費精算のほうが安く済むこともあれば、逆に割高になることもあります。
ほぼ毎日出社する人にとっては、通勤手当の縮小・廃止はそのまま負担増につながりかねません。在宅勤務手当が出ても、在宅で働かないなら恩恵は限定的です。
ここで見落としがちなのが、手当の額面だけを比べても意味がない、ということです。「在宅手当が月◯円つくからお得」と思っても、それが課税対象なら手取りは額面より小さくなります。逆に通勤手当がなくなっても、出社しないなら痛手は小さい。自分の働き方に当てはめて、はじめて損得が見えてくるのがこのテーマの本質です。
ここからはNoTrainらしい見方を加えます。私たちが求人を見るときにいつも確認しているのは、手当の有無そのものよりも「実際にどれくらい出社するのか」です。手当体系は、出社頻度という土台があってはじめて意味を持つからです。
求人票の「リモート可」「在宅勤務制度あり」という表記は、そのままでは出社の実態を表しません。週1出社でも、週4出社でも「リモート可」と書ける場合があります。だからこそNoTrainでは、求人原文に当たって出社頻度を確認し、通勤ゼロ/週1通勤/週2通勤といった軸で見ています。
手当体系を確認するときは、次のような点を求人や面談で押さえると、入社後のギャップを減らせます。
ビジネス職は、職種の性質上どうしても出社が前提とされがちです。しかし営業企画やマーケティング、バックオフィスなど、場所に縛られずに成果を出せる仕事は数多くあります。手当の小さな差に目を奪われるより先に、「自分が無理なく続けられる出社頻度か」を確かめる。これが、通勤のストレスから根本的に解放されるための順番だと私たちは考えています。
通勤手当を定期代でまるごと出す形は、在宅勤務の広がりとともに見直しが進み、実費精算への切り替えや、在宅勤務手当の新設が増えています。働き手にとっての損得は、手当の額面ではなく、課税の扱いと自分の出社頻度の掛け算で決まります。
求人を見るときは、手当の数字を比べる前に「実際にどれくらい出社するのか」を確かめるのが先決です。出社頻度が自分に合っていれば、手当の体系は後からでも納得して受け止められます。
働き方や手当の最新の動き、出社頻度で選べる求人情報は、ニュースレターでも定期的にお届けしています。通勤に縛られないキャリアを考えはじめた方は、ぜひ登録してチェックしてみてください。

起きて、身支度をして、満員電車に乗って、会社に着く。ようやく一息つく頃には、朝のいちばんいい時間は終わっています。あなたの一日が本当に「自分のもの」になるのは、何時からでしょうか。奪われている朝を、数えてみます。

やりがいのある仕事も、高い年収も、成長できる環境も、都会に出なければ手に入らない。長らく信じられてきたこの前提が、いま静かに崩れつつあります。住む場所とキャリアを切り離せる時代の話をします。

家族に当たってしまう。些細なことでイライラする。それはあなたの性格のせいではなく、毎日の通勤で神経をすり減らしているせいかもしれません。通勤ストレスが人柄や人間関係にまで及ぶ話を、データとともに考えます。