
定年までに、通勤で「何年」失うか計算してみた。
一回の通勤は、たかが往復1時間ちょっと。そう思って積み重ねた結果、定年までに私たちは通勤だけで何年ぶんの時間を失うのでしょうか。総務省のデータをもとに、実際に計算してみました。数字を見てから、その使い道を考え直しませんか。
働き方・キャリア

残業をすれば、たいていは残業代がつきます。時間外に働いた分は、対価として給料に反映される。それが当たり前のルールです。
ところが、毎朝の通勤はどうでしょうか。始業より前に家を出て、混んだ電車に一時間近く揺られ、消耗しきって会社に着く。この時間には、一円も支払われません。通勤は、実質的に「給料の出ない残業」です。 しかも本人の意思とは関係なく、ほぼ毎日、強制的に発生している。私たちはそれを、あまりに当たり前のこととして受け入れすぎているのかもしれません。
一度、具体的に計算してみてください。日本の通勤時間は往復でおよそ1時間19分、年に換算すると300時間、まる13日分にのぼります(総務省「令和3年社会生活基本調査」)。
この300時間に、仮にあなたの時給が発生していたらどうなるか。時給2,000円なら年間60万円、時給3,000円なら年間90万円です。もし会社が「通勤にも残業代を払います」と言い出したら、経営者は青ざめるでしょう。それだけの対価に見合う時間を、あなたは毎年、無償で差し出しているということです。
もちろん現実には、通勤に給料は出ません。だからこそ性質が悪いのです。支払われないからこそ、その損失は誰の目にも見えず、コストとして意識すらされない。 あなたの人生の時間が、静かに、しかし確実に消えていきます。
ここで大事なのは、通勤の損失を本当にお金に換算したいわけではない、ということです。時給の話はあくまで、失っているものの大きさを実感するための補助線にすぎません。
本当に失っているのは、お金には戻せない「時間そのもの」です。年間300時間あれば、資格の勉強もできる。家族と夕食を囲む日を何十日も増やせる。趣味に打ち込むことも、ただ休むこともできる。その全部を、私たちは満員電車の中で溶かしています。残業代なら後から取り戻せますが、通勤で失った時間は、二度と戻ってきません。
しかもこの「無給の残業」は、体力と気力まで削っていきます。移動で消耗した状態で仕事に入れば、本来のパフォーマンスは出ません。払っているのは時間だけでなく、その日の集中力でもあるのです。
普通の残業を減らすのは大変です。仕事量そのものを減らさなければならないからです。けれど、通勤という「無給の残業」は、働き方を変えるだけできれいに消せます。仕事の中身は何ひとつ減らさずに、移動の時間だけをゼロにできる。これは、他のどんな時短術よりも効果が大きい一手です。
通勤がなくなれば、年間300時間が丸ごと自分の手に戻ってきます。その時間を、成果を出すことにも、家族にも、休息にも、自由に振り向けられる。同じ給料で、同じ仕事をして、失われていた13日分を取り戻せるとしたら、やらない理由のほうが少ないはずです。
そして、この300時間を取り戻すために、年収やキャリアを諦める必要はありません。営業、企画、マーケティング、コーポレートといったビジネス職で、年収を保ったままフルリモートで働ける仕事は確実に存在します。
ひとつだけ注意があります。求人票の「リモート可」という言葉を、額面どおりに信じないことです。実際は週3出社が前提だった、というズレは珍しくありません。せっかく通勤をなくすつもりが、蓋を開けたら「無給の残業」が半分残っていた、では意味がありません。だからこそ、その仕事が本当に通勤ゼロなのか、出社頻度の事実で確かめる必要があります。
NoTrainは、掲載するすべての求人について出社頻度を求人原文まで確認し、「通勤ゼロ/週1通勤/週2通勤」という独自の軸で、年収を落とさずに働けるビジネス職のリモート求人だけを検証して届けています。あなたの「無給の残業」が本当にゼロになる仕事かどうかを、事実で選ぶための仕組みです。
通勤は、給料の出ない残業です。年間300時間、まる13日分もの時間を、私たちは対価もなく差し出し続けています。失っているのはお金ではなく、二度と戻らない時間と、その日の気力です。普通の残業と違い、この「無給の残業」は働き方を変えるだけで消せます。仕事を減らさずに、移動の時間だけを取り戻せる。
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一回の通勤は、たかが往復1時間ちょっと。そう思って積み重ねた結果、定年までに私たちは通勤だけで何年ぶんの時間を失うのでしょうか。総務省のデータをもとに、実際に計算してみました。数字を見てから、その使い道を考え直しませんか。

遅くまで残っている人が頑張っていて、早く帰る人は仕事が足りない。その常識、もう逆かもしれません。同じ成果なら短い時間で出せる人のほうが優秀なはず。早く帰ることを後ろめたく思っている、あなたのための話です。

通勤中に本を読み、音声学習をこなす。有効に使えているつもりのその時間、本当は「奪われた時間の埋め合わせ」かもしれません。自己投資という言葉で通勤を正当化していないか、一度だけ立ち止まって考えてみませんか。