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働き方・キャリア

台風の日でも、なんとか出社しようとしてしまう。

2026/08/05·読了 7分
#通勤#出社#災害#働き方#リモートワーク
台風の日でも、なんとか出社しようとしてしまう。

台風が近づいている朝。強い雨と風の音で目が覚め、スマホを見ると電車の遅延情報が並んでいます。それでも多くの人は、こう考えます。「なんとか間に合う電車はないか」「少し早めに出れば大丈夫か」。危険な暴風雨のなか、あるいは大雪で足元が凍る道を、私たちはそれでも会社へ向かおうとします。運休の駅で立ち尽くし、動かない電車を何時間も待ち、へとへとになって出社する。そんな経験がある人は、少なくないはずです。

でも、少し立ち止まって考えてみてください。天候が荒れて危険なときにまで、無理を押してオフィスへ向かおうとするのは、よく考えると不思議なことです。その日にやる仕事の多くは、パソコンとネットがあれば家でもできるはずなのに、なぜか「会社に行かなければ」と体が動く。この反応の裏には、「出社することそのものが仕事だ」という、私たちに深く刷り込まれた思い込みがあるのかもしれません。今日は、その刷り込みについて考えてみます。

「行こうとする」こと自体が、刷り込みの証拠

台風や大雪の日に、危険を冒してでも出社しようとする。この行動そのものが、私たちの中にある思い込みをはっきり映し出しています。もし「大事なのは成果であって、どこにいるかではない」と本当に思っていれば、荒天の日に無理をして電車に乗る理由はありません。家で同じ仕事をすればいいだけです。

それなのに、多くの人が反射的に「出社しよう」と考える。ここには、「会社に行く」ことと「働く」ことが、頭の中で分かちがたく結びついているという現実があります。行かないと、休んでいるようで落ち着かない。行かないと、周りに悪い気がする。行くこと自体に意味があると、どこかで信じている。だからこそ、危険な日にまで、体が会社へ向かおうとするのです。この反応は、あなたが真面目だからこそ起きるものですが、その真面目さが、無理をしなくていい場面でまで無理を強いている面もあります。

「行けること」を、頑張りだと勘違いしていないか

やっかいなのは、荒天の日に苦労して出社したことが、しばしば「頑張り」として評価されてしまうことです。台風のなか誰よりも早く来た人が、責任感が強いと褒められる。そういう空気があると、無理をして出社することが、いつのまにか美徳のように扱われていきます。

けれど、冷静に考えれば、暴風雨のなかを危険を冒して会社にたどり着いたことは、成果とは何の関係もありません。生み出した価値は、家で同じ仕事をした場合と変わらない。むしろ、危険な移動で消耗したぶん、その日のパフォーマンスは落ちているかもしれません。「行けること」は能力でも頑張りでもなく、単に危険を引き受けただけです。それを評価する文化があるとしたら、評価する対象を、根本から間違えています。

会社も、あなたに無理をさせたいわけではない

こう書くと、「でも、休んだら会社に迷惑がかかる」と感じる人もいるでしょう。その責任感は尊いものです。ただ、多くの会社は、社員に危険を冒してまで出社してほしいとは思っていません。荒天時に無理な出社をして事故に遭えば、会社にとっても大きな損失だからです。実際、災害が予想される日には出社を控えるよう呼びかける会社も増えています。

問題は、そうした個別の判断以前に、そもそも「出社が前提」の働き方だから、荒天のたびにこの悩みが発生することです。もし普段から家で働ける働き方であれば、台風の日に「行くべきか、休むべきか」で迷うこと自体がなくなります。荒天のたびに生じるこの葛藤は、出社を前提にした働き方が生んでいる、余計なストレスなのです。天気に振り回されずに、安全な家で淡々と仕事を進められる。それは、我慢や特別な事情ではなく、選べる普通の働き方のひとつです。

「休むと仕事が止まる」も、働き方の問題

荒天時に無理な出社が起きるもう一つの理由は、「自分が行かないと仕事が止まる」という感覚です。出社しなければ対応できない業務があると、多少の危険を冒してでも行かざるをえない。この状況もまた、出社を前提にした働き方が生んでいるものです。

家で働ける体制が整っていれば、話は逆になります。台風で交通が止まっても、社員は安全な自宅から仕事を続けられ、事業もそのまま回ります。誰かが危険を冒して出社しなくても、業務が止まらない。これは個人にとって安全なだけでなく、会社にとっても、災害に強い働き方だということです。荒天のたびに一部の人の無理で乗り切る体制は、実はとても脆いものです。天候に左右されずに仕事が続く状態をつくることは、我慢の話ではなく、備えの話でもあります。だからこそ、安全に働ける働き方を選ぶことには、自分を守る以上の意味があります。

天気に、働き方を左右されないために

天候に振り回されない働き方に移るために、キャリアや収入を諦める必要はありません。営業でも企画でも事務でも、通勤ゼロや週1・週2出社で働けるビジネス職の仕事は、実際に存在します。ただし、求人票の「リモート可」を額面どおりに受け取らないこと。実際は週の大半が出社で、結局また台風の朝に電車の運行情報とにらめっこすることもあります。本当に天気に左右されない働き方かは、出社頻度の事実で確かめる必要があります。

NoTrainは、掲載する求人について、実際にどれくらい出社するのかを募集要項の原文まで確かめています。荒天のたびに無理な出社を迫られる働き方から抜け出したい人が、安全に働ける仕事を、事実にもとづいて選べるようにするためです。

まとめ

台風でも大雪でも、私たちはなんとか出社しようとします。その反応そのものが、「出社することが仕事」という刷り込みの証拠です。危険を冒して会社にたどり着いても、生み出す成果は家で働く場合と変わりません。「行けること」を頑張りと勘違いし、無理な出社を美徳としてしまう文化には、一度立ち止まる価値があります。荒天のたびの「行くべきか」の葛藤は、出社を前提にした働き方が生んでいる余計なストレスです。天気に働き方を左右されない選択が、現実にあることを知っておいてください。

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