
共働きの朝が「戦場」なのは、二人とも通勤しているからかもしれない。
起きた瞬間から時間との戦い。朝食、身支度、保育園の準備を同時進行で回し、二人で家を飛び出す。共働きの朝がこれほど戦場なのは、二人とも「決まった時間に家を出る」制約を抱えているからかもしれません。
働き方・キャリア

若い頃は、満員電車も長い通勤も、それほど気になりませんでした。多少混んでいても、少し眠くても、会社に着けば何とか一日を乗り切れた。ところが40代を過ぎたあたりから、様子が変わってきます。朝の電車で消耗した感覚が一日中抜けない。金曜の夜には、疲れがずっしり残っている。「最近、通勤が前よりこたえるな」と感じている人は、少なくないはずです。
これを、気合いが足りないせいだと自分を責める必要はありません。通勤が年々つらくなるのは、ごく自然な体の変化です。若い頃と同じ負荷でも、受けるダメージは確実に大きくなっていく。今日は、この加齢と通勤の関係を正直に見つめ、これから先どう向き合うかを考えてみます。
20代や30代前半の頃、私たちは自分の体力を基準に働き方を決めてきました。多少無理がきいたし、一晩眠れば回復した。満員電車で消耗しても、翌朝にはリセットされていた。だから、通勤のつらさも「まあ、これくらいは」と受け流せたのです。
けれど、体力は年齢とともに、少しずつ、しかし確実に変化します。回復にかかる時間は延び、同じ疲労でも抜けにくくなる。若い頃に作った「これくらいは大丈夫」という基準を、40代以降もそのまま使い続けると、実際の体力との間にズレが生じていきます。そのズレを「まだいける」という気合いで埋めているうちは何とかなっても、無理を重ねれば、どこかで体調に響いてきます。通勤がこたえるようになったという感覚は、その基準を更新すべきサインなのかもしれません。
ここで大事なのは、これまで通勤に耐えてきたことを否定するわけではない、ということです。若い頃に多少の無理をして働くことには、経験を積むという意味がありました。体力もあったし、それが将来の糧になった面も確かにあります。
でも、これからの我慢は、少し意味が違います。40代、50代とキャリアの後半に入っていくにつれ、守るべきは「無理をしてでも頑張る姿勢」よりも、「長く健やかに働き続けられる体」のほうです。ここで体を壊してしまえば、これまで積み上げてきたキャリアそのものが揺らぎます。若い頃と同じ感覚で通勤の負荷を受け入れ続けるのは、これからの働き方としては、少しリスクが大きい。年齢に合わせて、負荷のかけ方を見直していくのは、後ろ向きなことではなく、賢い調整です。
とはいえ、40代を過ぎると「今さら働き方を大きく変えるなんて」とためらう気持ちも出てきます。長く勤めた会社、築いてきた立場、家族の生活。それらを抱えていると、動くこと自体が重く感じられます。
その気持ちはよくわかります。けれど、変えるべきは会社や仕事そのものとは限りません。通勤という一点を軽くするだけでも、日々の消耗は大きく変わります。仕事の中身も人間関係もそのままに、毎日の負荷だけを下げる。それは大きな決断というより、体に合わせた働き方の微調整です。そして、この調整は、年齢を重ねた人ほど効果が大きい。若い頃より回復力が落ちているからこそ、通勤という毎日の負担を減らすリターンは、40代以降のほうが大きいのです。
もう一つ、40代以降に気をつけたいのが、「慣れ」の落とし穴です。長年の通勤で、私たちはその負担に感覚的には慣れています。だから、体力が落ちてきても、つらさの一部は「いつものこと」として意識にのぼりにくくなっています。
慣れは、日々をやり過ごすうえでは便利です。けれど、慣れているからといって、体への負担がなくなったわけではありません。むしろ、慣れで自覚が薄れているぶん、無理が静かに積もっていく危うさがあります。若い頃なら疲労として自覚できたものが、年齢を重ねると、ある日体調の不調というかたちで表に出てくることもあります。「慣れているから平気」と「体に負担がない」は、まったくの別物です。通勤がこたえると感じ始めた今は、その慣れの奥にある本当の負担に、一度目を向けるいい機会かもしれません。
通勤の負荷を減らすために、キャリアや収入を諦める必要はありません。40代以降の経験や専門性は、むしろ強みです。営業でも企画でも管理職でも、通勤ゼロや週1・週2出社で働けるビジネス職の仕事は、実際に存在します。ただし、求人票の「リモート可」を額面どおりに受け取らないこと。実際は週の大半が出社で、また同じ通勤に戻ってしまうこともあります。本当に通勤の負担を減らせるかは、出社頻度の事実で確かめる必要があります。
NoTrainは、掲載する求人について、実際にどれくらい出社するのかを募集要項の原文まで確かめています。これからも長く健やかに働き続けたい人が、自分の体力に合った働き方を、事実にもとづいて選べるようにするためです。
40代を過ぎて通勤がこたえるようになるのは、気のせいでも根性不足でもなく、体力の自然な変化です。若い頃に作った「これくらいは大丈夫」という基準は、年齢とともに更新していく必要があります。若い頃の我慢には経験を積む意味がありましたが、これからの我慢で守るべきは、長く働き続けられる体のほうです。会社や仕事を変えなくても、通勤という一点の負荷を減らすだけで、日々の消耗は大きく変わります。回復力が落ちてきた今だからこそ、その効果は大きいのです。
これからのキャリアを、体を壊さずに続けたい人へ。NoTrainのニュースレターでは、出社頻度を事実まで確かめたビジネス職のリモート求人を、毎週お届けしています。年齢に合った働き方へ調整する一歩として、よければ登録してみてください。

起きた瞬間から時間との戦い。朝食、身支度、保育園の準備を同時進行で回し、二人で家を飛び出す。共働きの朝がこれほど戦場なのは、二人とも「決まった時間に家を出る」制約を抱えているからかもしれません。

半年に一度、当たり前のように通勤定期を更新する。その手続きは、実は「この働き方をあと半年続けます」という契約の更新でもあります。無意識に押しているそのボタンを、一度だけ止めて考えてみませんか。

通勤がつらいから転職したい。そう思っても、「そんな理由で辞めるのは甘えでは」とためらう人は少なくありません。でも、毎日の通勤は生活の質を確実に左右します。通勤を理由に働き方を変えることは、わがままでも甘えでもないという話。