
働き方・キャリア
「通勤がなければ始められたこと」が、きっとある。

運動を始めたい。前からそう思っている。資格の勉強も、いつかちゃんとやろうと思っている。本当は朝ごはんを座って食べたいし、夜はゆっくり本を読みたい。やりたいことは、いくつもある。でも、どれも「いつか」のまま、始められずにいる。時間がない、気力が残っていない。そう自分に言い訳しながら、また一日が過ぎていく。
こういう「始められないこと」を、多くの人が抱えています。そして、その原因を「自分の意志が弱いから」だと思いがちです。でも、少し待ってください。あなたから時間と気力を先取りしているものの正体は、意志の弱さではなく、毎日の通勤なのかもしれません。今日は、通勤が静かに閉ざしている「いつか」について考えてみたいと思います。
「時間がない」の中身を見てみる
何かを始められない理由の筆頭は、たいてい「時間がない」です。では、その足りない時間は、どこへ消えているのでしょうか。一日を振り返って、通勤の往復にかかっている時間を数えてみてください。片道1時間なら、往復で2時間。これが毎日です。
もし、この2時間がまるごと自分の手元にあったら、何ができるでしょうか。朝の30分を運動に、夜の1時間を勉強に、残りを趣味や休息に。「始めたくても時間がない」と思っていたことの多くは、通勤に使っている時間で、十分に始められるはずのものです。時間がないのではなく、その時間が最初から通勤に予約されているだけ。私たちは、やりたいことに使えたはずの時間を、毎日、移動のために自動的に差し出しているのです。
奪われているのは、時間だけではない
もう一つ、見落としがちなことがあります。何かを新しく始めるのに必要なのは、時間だけではありません。気力です。そして通勤は、その気力のほうも、静かに奪っています。
満員電車で消耗して会社に着き、一日働いて、また満員電車で帰ってくる。家にたどり着いた頃には、新しいことを始めるエネルギーなど、もう残っていません。時間があっても気力が空っぽなら、人は何も始められないのです。「今日は疲れたから、また今度」。この繰り返しで、やりたかったことは先送りされ続けます。通勤は、一日の時間を削るだけでなく、残りの時間を活かすための気力まで、先に吸い取ってしまう。だから、たとえ夜に1時間空いていても、その1時間で何かを始める力が残っていないのです。
「いつか」が、ずっと「いつか」のままになる
やりたいことを「いつかやろう」と思っているうちは、なんとなく安心できます。可能性が残っている気がするからです。でも、時間と気力を通勤に先取りされ続ける生活では、その「いつか」は、いつまでたっても今になりません。
一年前に「そのうち始めよう」と思っていたことを、今も始められていない。そんな経験はないでしょうか。通勤中心の毎日は、「いつか」を「いつか」のまま塩漬けにする構造を持っています。日々をこなすだけで精一杯で、新しいことを始める余白が生まれない。そして気づけば、何年も同じことを「いつかやりたい」と言い続けている。やりたかったことのリストだけが増えて、着手はゼロのまま。その状態を、意志の問題として片づけてしまうのは、少し酷かもしれません。始められないのは、始めるための余白を、通勤に奪われ続けているからです。
通勤をなくすと、「いつか」が「今」になる
通勤がなくなると、この構造が変わります。往復の時間がまるごと戻り、そこで消耗していた気力も残る。時間と気力の両方が手元にあれば、後回しにしていたことに、ようやく手をつけられます。
朝、通勤に充てていた時間で軽く体を動かす。始業前にコーヒーを淹れて本を開く。夜、疲れきる前に勉強を始める。通勤に予約されていた時間と気力が解放されると、「いつか」が現実の「今日」に変わっていくのです。特別なことではありません。ずっとやりたかったことを、やれるようになるだけです。でも、その「だけ」が、これまではどうしてもできなかった。通勤をなくすというのは、単に楽になることではなく、閉ざされていた可能性の扉を、もう一度開けるということなのかもしれません。
閉ざされた「いつか」を、取り戻すために
始められないことを、自分の意志のせいにしてきたなら、一度その前提を疑ってみてください。時間と気力さえあれば始められることを、通勤が毎日先取りしているだけかもしれません。
その時間と気力を取り戻すために、キャリアや収入を手放す必要はありません。多くのビジネス職で、通勤ゼロや出社を大きく減らして働ける仕事は、実際に見つかります。気をつけたいのは、募集要項の「リモート可」という言葉が、必ずしも通勤のない毎日を意味しないことです。実際は週の大半が出社で、また「いつか」を先送りする毎日に戻ってしまうこともあります。本当に時間と気力を取り戻せるかどうかは、出社頻度の事実で確かめる必要があります。
NoTrainは、掲載する求人が実際にどれくらい出社するのかを、募集要項の原文まで一件ずつ確かめています。閉ざされていた「いつか」を今に変えたい人が、事実にもとづいて働き方を選べるようにするためです。
まとめ
運動、勉強、朝の習慣。やりたいのに始められずにいることの多くは、意志の弱さではなく、通勤に時間と気力を先取りされていることが原因かもしれません。通勤は、往復の時間を奪うだけでなく、その時間を活かす気力まで吸い取ってしまいます。だから「いつか」は、いつまでも「いつか」のまま。通勤をなくせば、その時間と気力が手元に戻り、後回しにしてきたことが「今日」始められるようになります。始められないことを自分のせいにする前に、その余白を奪っているものに、一度目を向けてみてください。
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