
働き方・キャリア
「通勤は貴重な一人時間」を、手放したくない人へ。

「リモートに移れば通勤がなくなる」と聞いて、少しだけ寂しさを感じる人がいます。通勤時間は、家族にも同僚にも邪魔されない、一日で唯一の一人きりの時間。電車のなかで本を読み、好きな音楽を聴き、ぼんやりと頭を切り替える。そのささやかな時間を、大切にしている人は少なくありません。だから、「通勤をなくそう」という話に、素直にうなずけない気持ちも、よくわかります。
その感覚を、否定するつもりはまったくありません。通勤中の一人時間に価値を感じるのは、自然なことです。でも、ひとつだけ問いかけさせてください。あなたが本当に大切にしているのは「通勤」でしょうか。それとも「一人で過ごせる時間」のほうでしょうか。 もし後者なら、その一人時間は、必ずしも満員電車とセットでなくても、手に入れられるのかもしれません。今日は、この点を一緒に考えてみます。
大切なのは、通勤ではなく「一人時間」のほう
通勤中の読書や音楽が好きな人に、よく聞いてみると、その人が愛しているのは電車そのものではありません。満員電車の混雑や、遅延や、人混みが好きだという人は、まずいないでしょう。好きなのは、その移動の時間にたまたま生まれる「誰にも邪魔されない一人の時間」のほうです。
つまり、通勤と一人時間は、本当はセットではありません。たまたま通勤という時間の中に、一人時間が同居していただけです。この二つを切り分けて考えると、見え方が変わってきます。もし一人時間だけを、通勤の不快さから切り離して取り出せるとしたら。混雑も遅延も消耗もなしに、読書や音楽やぼんやりする時間だけを確保できるとしたら。そのほうが、ずっといいはずです。あなたが手放したくないのは一人時間であって、それを包んでいる満員電車ではないのです。
通勤の一人時間は、質があまり高くない
正直に見つめれば、通勤中の一人時間は、実はそれほど質の高いものではありません。座れなければ立ったまま、揺れる車内で本を読み、周囲の騒音のなかで音楽を聴く。人にぶつからないよう気を張りながらの読書は、集中しきれるものではありません。混雑がひどい日は、そもそも本を開くことすらできない。
つまり、通勤中の一人時間は、環境としてはかなり劣悪です。それでも私たちがそこに価値を感じるのは、他に一人になれる時間がないからこそ、その不便な時間にしがみついているという面があります。もし、静かな部屋で、座って、好きな飲み物を片手に読書できる一人時間があったら。同じ「一人で本を読む」でも、その質はまるで違います。通勤の一人時間を惜しむ気持ちの裏には、「それくらいしか一人になれる時間がない」という、働き方の窮屈さが隠れているのかもしれません。
通勤をなくすと、上質な一人時間が増える
ここで発想を変えてみましょう。通勤がなくなると、一人時間が失われるのではありません。むしろ、もっと上質な一人時間が増えます。
通勤に使っていた往復の時間が、そっくり自分の手に戻ってきます。その時間を、静かな環境での読書に使ってもいい。朝、コーヒーを淹れて、誰にも邪魔されずに好きな音楽を聴いてもいい。散歩をしながら頭を整理してもいい。満員電車という劣悪な環境で我慢していた一人時間を、自分の選んだ快適な環境での一人時間に置き換えられるのです。しかも、混雑のストレスも、遅延の不安もありません。手放すのは通勤の不快さだけで、大切にしていた一人時間は、より良いかたちで残ります。むしろ増えると言ってもいい。
そもそも一人時間が「通勤しかない」のが問題
もう一歩踏み込むと、通勤の一人時間に価値を感じること自体が、実はひとつのサインです。それは、通勤くらいしか一人になれる時間がない、という日常の裏返しだからです。
朝は準備に追われ、日中は仕事に拘束され、帰宅後は家事や家族との時間。その合間で、唯一ぽっかり空いているのが通勤の時間だった。だから、そこにしがみつくしかなかった。「通勤が唯一の一人時間」だとしたら、問題は通勤ではなく、一人時間が通勤にしか残されていない生活のほうかもしれません。通勤をなくして時間に余裕が生まれれば、一人時間を通勤に頼る必要がなくなります。朝でも、昼休みでも、夜でも、自分の好きなタイミングで一人の時間を取れる。一日のどこか一か所にしか一人時間がない状態から、自分で一人時間を選べる状態へ。この違いは、思っている以上に大きいものです。
一人時間を、通勤から切り離して手に入れる
一人時間を守りながら通勤の不快さを手放すために、キャリアや収入を諦める必要はありません。営業でも企画でも事務でも、通勤ゼロや週1・週2出社で働けるビジネス職の仕事は、実際に存在します。ただし、求人票の「リモート可」を額面どおりに受け取らないこと。実際は週の大半が出社で、また満員電車の一人時間に戻ってしまうこともあります。本当に通勤をなくせるかは、出社頻度の事実で確かめる必要があります。
NoTrainは、掲載する求人について、実際にどれくらい出社するのかを募集要項の原文まで確かめています。通勤中の一人時間を惜しんでいた人が、もっと良い一人時間のある働き方を、事実にもとづいて選べるようにするためです。
まとめ
「通勤は貴重な一人時間だから手放したくない」という気持ちは、とても自然なものです。でも、あなたが本当に大切にしているのは、通勤そのものではなく、一人で過ごせる時間のほうではないでしょうか。通勤と一人時間はセットではなく、たまたま同居していただけです。しかも通勤中の一人時間は、混雑や騒音のなかの質の低いもの。通勤をなくせば、その一人時間は失われるどころか、静かで快適な、もっと上質な時間に置き換わります。手放すのは不快さだけで、大切なものはより良いかたちで残ります。
一人の時間も、快適さも、どちらも諦めたくない人へ。NoTrainのニュースレターでは、出社頻度を事実まで確かめたビジネス職のリモート求人を、毎週お届けしています。通勤の一人時間を、もっと良い一人時間に変える一歩として、よければ登録してみてください。
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