
働き方・キャリア
電車でいつも寝てしまう人へ。それ、休息ではなく消耗のサインです。

通勤電車で運よく座れると、走り出してすぐ、いつのまにか寝てしまう。目が覚めたら降りる駅の一つ手前だった。そんな経験がある人は、きっと少なくありません。ほんの15分でも、座って目を閉じれば少しは休まる気がします。通勤時間を仮眠に使えているなら、ちょっとお得なようにも思えます。
でも、もし毎日きまって、乗ったとたんに寝落ちしてしまうなら。それは「通勤時間をうまく活用できている」というより、体が「足りていない」と訴えているサインなのかもしれません。今日は、この電車での寝落ちが教えてくれることについて、考えてみたいと思います。
すぐ眠れるのは、よく眠れている証拠ではない
「電車ですぐ寝られるなんて、寝つきがよくて羨ましい」と言われることがあります。でも、座ったそばから意識が飛ぶように眠ってしまうのは、寝つきがいいというより、睡眠が足りていないサインであることが多いのです。
十分に眠れている人は、明るくて、揺れて、人の多い電車の中で、そう簡単には眠りに落ちません。眠るのに向かない環境だからです。それでも意識が飛ぶように寝てしまうのは、体が睡眠を強く欲していて、少しでも隙があれば取り返そうとしているから。つまり、電車での寝落ちは、快適さの証ではなく、睡眠負債がたまっているサインであることが多いのです。お得な仮眠のように見えて、実は借金の取り立てに近い。そう考えると、少し見え方が変わってきます。
その睡眠不足を、通勤自身が作っている
やっかいなのは、電車で取り返そうとしているその睡眠不足を、ほかならぬ通勤自身が作っている面があることです。
通勤に時間がかかるほど、朝は早く起きなければなりません。始業から逆算して、身支度と移動の時間を引くと、起床時刻は前へ前へとずれていきます。かといって夜すぐ眠れるわけでもなく、帰宅後に家事や自分の時間を過ごしていると、就寝は遅くなりがちです。通勤が長いほど、朝は削られ、夜は延び、睡眠時間が両側から圧迫される。その結果足りなくなった睡眠を、翌朝また電車の中で少しだけ取り返そうとする。よく考えると、これは出口のないループです。通勤のために睡眠を削り、削った睡眠を通勤中に補おうとしている。補っているつもりが、根本ではまったく足りていないのです。
電車の仮眠は、質の高い睡眠にはならない
しかも、電車の中でうとうとする15分は、布団で眠る15分とは質がまるで違います。明るく、揺れて、いつ降車駅が来るか気にしながらの眠りは、深いところまで届きません。乗り過ごさないよう、頭のどこかは起きたままです。
だから、電車で寝ても、すっきりした感覚はあまり残りません。降りたあと、かえって頭が重いこともあります。浅い仮眠は、足りない睡眠の埋め合わせにはなりきらないのです。それでも寝てしまうのは、体がそれだけ休息を求めている裏返しでもあります。本当に必要なのは、明るい車内での細切れの15分ではなく、静かな場所でのまとまった睡眠のほうです。通勤中の寝落ちは、その本当に必要なものが足りていないことを、毎朝教えてくれているのかもしれません。
通勤がなくなると、朝がまるごと戻ってくる
ここで想像してみてください。もし通勤がなくなったら、朝はどう変わるでしょうか。
まず、始業から逆算して早起きする必要がなくなります。往復の移動時間がまるごと手元に戻るので、そのぶん長く眠っていられる。ぎりぎりまで寝ていても、慌てて駅へ走る必要はありません。通勤に充てていた時間を、そのまま睡眠に回せるというのは、地味なようでいて、毎日の疲れ方を大きく変えます。電車で取り返そうとしていた15分を、朝の布団の中で、深く質の高い睡眠として取れるようになる。無理に仮眠でしのぐ必要がなくなるのです。睡眠が足りてくれば、日中の集中力も変わってきます。午前中にうとうとしない。午後に急激な眠気に襲われない。寝落ちで補うループから、そもそも足りている状態へと抜け出せます。
寝落ちは、働き方を見直すサインかもしれない
電車での寝落ちを、「疲れているなあ」で済ませてしまうのは、少しもったいないことです。それは、いまの働き方が睡眠を削り続けているという、体からのわかりやすいサインだからです。毎日きまって寝てしまうという事実は、意志や気合いの問題ではありません。物理的に眠りが足りていないという、正直な信号です。
通勤の負担を減らすために、キャリアや収入を手放す必要はありません。多くのビジネス職で、通勤ゼロや出社を大きく減らして働ける仕事は、実際に見つかります。気をつけたいのは、募集要項の「リモート可」という言葉が、必ずしも通勤のない毎日を意味しないことです。実際には週の大半が出社で、また早起きと電車での寝落ちに戻ってしまうこともあります。本当に朝の睡眠を取り戻せる働き方かどうかは、出社頻度の事実で確かめる必要があります。
NoTrainは、掲載する求人が実際にどれくらい出社するのかを、募集要項の原文まで一件ずつ確かめています。毎朝の寝落ちから抜け出したい人が、事実にもとづいて働き方を選べるようにするためです。
まとめ
通勤電車でいつも寝てしまうのは、寝つきがいいからでも、時間をうまく使えているからでもありません。多くの場合、それは睡眠が足りていないサインです。しかもその睡眠不足は、通勤自身が朝と夜の両側から作り出しているもの。電車の浅い仮眠では取り返しきれず、寝落ちのループから抜け出せません。通勤がなくなれば、その時間はまるごと質の高い睡眠に回せて、日中の眠気そのものが減っていきます。毎朝の寝落ちは、働き方を見直すサインとして受け取る価値があります。
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