
働き方・キャリア
雨の日の通勤が、晴れの日の何倍もつらいのはなぜか。

朝、カーテンを開けて雨が降っているのを見た瞬間、少しだけ気が重くなる。傘を差して、濡れた足元を気にしながら駅まで歩く。ホームは人でごった返し、電車は遅れ気味で、いつもより混んでいる。濡れた傘がぶつかり合い、車内はむっとした湿気と人いきれで満ちている。会社にたどり着くころには、まだ何もしていないのに、もうぐったりしている。
雨の日の通勤は、晴れの日の通勤と比べて、体感で何倍もつらく感じます。同じ距離を移動しているだけなのに、なぜこんなに消耗するのでしょうか。今日は、雨の日にだけ強く突きつけられる、通勤という営みの本質について考えてみたいと思います。
雨の日は、通勤の負担がまとめて増える
雨の日の通勤がつらいのは、気のせいではありません。実際に、いくつもの負担が同時に増えているからです。
まず、傘という荷物が一つ増えます。片手がふさがり、濡れないよう気を張り、電車では置き場所に困ります。次に、足元が濡れます。靴に水がしみ、靴下が湿り、その不快さが一日じゅう続くこともあります。電車の混雑も増します。ふだんは自転車や徒歩の人まで公共交通に流れ込み、車内はいつも以上にぎゅうぎゅうです。おまけに、電車は遅れがちになります。遅延を見越して早く家を出れば、その分の時間も削られます。晴れの日なら意識もしない一つひとつの負担が、雨の日はまとめて上乗せされる。だから、同じ通勤でも消耗の量がまるで違うのです。
つらさの正体は「自分でコントロールできない」こと
でも、雨の日のつらさは、濡れることや荷物が増えることだけではありません。もっと本質的なのは、そのすべてが自分ではどうにもできない、という感覚です。
雨は自分では止められません。電車の遅延も、車内の混雑も、自分の努力ではどうにもなりません。早く家を出るくらいの工夫はできても、雨そのものや満員電車を消すことはできない。自分の力ではどうにもならないことに毎朝さらされ続けるのは、それ自体が静かなストレスになります。人は、自分でコントロールできない不快な状況に置かれると、それだけで消耗するものです。雨の日の通勤は、その「どうにもできなさ」を、いつもより濃く突きつけてきます。晴れの日はなんとなくやり過ごせていた無力感が、雨の日はくっきりと輪郭を持って現れるのです。
雨の日は、通勤のばかばかしさが見えやすい
面白いもので、雨の日はふだん見えていないものが見えてきます。それは、通勤という行為そのものへの、素朴な疑問です。
晴れて気持ちのいい日は、通勤の理不尽さもなんとなく流せてしまいます。でも、土砂降りの中を、濡れながら、満員電車に押し込まれて会社へ向かっているとき。ふと「自分は何のために、こんな思いをしてまで移動しているんだろう」という考えがよぎります。家でもできる仕事のために、わざわざ雨の中を出ていく。その一日の生産性が、雨の日だからといって上がるわけでもない。むしろ、濡れて消耗したぶん、下がっているかもしれない。雨の日は、通勤が「移動そのものには何の価値もない時間」だという事実を、いつもより見えやすくしてくれるのです。晴れの日は隠れていた通勤のばかばかしさが、雨の日は輪郭を持って立ち上がってきます。
家で働ければ、雨は「ただの天気」に戻る
もし通勤がなかったら、雨の日はどう変わるでしょうか。答えはシンプルで、雨がただの天気に戻ります。
窓の外で雨が降っていても、家で仕事をしているなら、濡れることも、傘を持つことも、遅延に苛立つこともありません。雨音を聞きながら、温かい飲み物を片手に仕事を始められる。むしろ、雨の日を少し心地よく感じられるかもしれません。通勤がなくなると、雨は「憂鬱の種」から「ただの外の風景」に変わるのです。天気に一日の消耗を左右されなくなる。これは、思っている以上に暮らしを穏やかにします。雨の日にだけ強く感じていたあの無力感から、そもそも解放されるということです。
雨の日のつらさを、我慢し続けないために
雨の日の通勤がつらいのは、あなたが弱いからでも、気の持ちようが足りないからでもありません。実際に負担が増え、しかもそれが自分ではどうにもできないからです。年に何十日もある雨の日を、毎回この消耗で乗り切り続けるのは、決して小さなことではありません。
通勤の負担をなくすために、キャリアや収入を手放す必要はありません。多くのビジネス職で、通勤ゼロや出社を大きく減らして働ける仕事は、実際に見つかります。気をつけたいのは、募集要項の「リモート可」という言葉が、必ずしも通勤のない毎日を意味しないことです。実際は週の大半が出社で、また雨の日の満員電車に戻ってしまうこともあります。本当に雨の日の通勤から解放されるかどうかは、出社頻度の事実で確かめる必要があります。
NoTrainは、掲載する求人が実際にどれくらい出社するのかを、募集要項の原文まで一件ずつ確かめています。雨の朝の憂鬱から降りたい人が、事実にもとづいて働き方を選べるようにするためです。
まとめ
雨の日の通勤が晴れの日より何倍もつらいのは、気のせいではありません。濡れた傘、湿った靴、増える混雑、遅れる電車。負担がまとめて上乗せされ、しかもそのどれも自分ではコントロールできません。その無力感が、雨の日の消耗の正体です。そして雨の日は、通勤が移動のためだけの無価値な時間だという事実を、いつもより見えやすくしてくれます。家で働ければ、雨はただの天気に戻り、あの憂鬱そのものが消えます。年に何十日もある雨の朝を我慢し続ける前に、一度その負担を天秤に載せてみてください。
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