
働き方・キャリア
終電の時間に、一日の終わりを縛られていないか。

夜、友人と食事をしていても、趣味の集まりに参加していても、頭のどこかでずっと時計を気にしている。「そろそろ終電だ」。その一言で、まだ話し足りなくても、まだ楽しくても、席を立たなければならない。あるいは、乗り過ごせないという緊張が、その場を心から楽しませてくれない。こんな夜を、あなたも過ごしていないでしょうか。
通勤している人にとって、終電の時間は、一日の終わりを区切る見えない締め切りです。しかも、その締め切りは自分で決めたものではありません。電車のダイヤという、他人が決めた時刻に、私たちは毎日の夜を合わせています。今日は、この「終電に縛られる夜」について考えてみたいと思います。
夜の予定を、終電から逆算している
平日に何か予定を入れるとき、私たちは無意識のうちに終電から逆算しています。この店を何時に出れば間に合うか。二次会に行ったら終電を逃すか。逆算して、行動を決める。楽しさや充実よりも先に、まず「帰れるかどうか」が判断の基準になります。
これは、よく考えると不思議なことです。一日の終わりの時間を、自分の気分や状況ではなく、電車の時刻表が決めている。まだその場にいたいと思っても、終電という外側の都合が、強制的に終わりを告げるのです。しかも、家が遠いほど、終電は早くなります。通勤時間が長い人ほど、夜の自由は削られている。二次会に行けない、映画のレイトショーを見られない、遠くの友人に会いに行けない。終電を気にして諦めてきたことが、積み重なると、けっこうな量になっているはずです。
「間に合うかどうか」が、楽しさを削る
終電の厄介なところは、実際に乗り遅れるかどうか以前に、「気にしていること」そのものが、その時間の質を下げてしまう点です。
友人と話していても、頭のどこかで時計を計算している。ライブや観劇に没頭したいのに、終盤になると帰りの電車が気になり始める。目の前の時間に集中したいのに、終電という締め切りが、意識の一部をずっと奪っているのです。心から楽しむには、時間を気にせず、その場に浸れることが必要です。でも、終電があるかぎり、私たちは完全にはくつろげません。楽しい時間の終わりに、いつも小さな焦りがついてまわる。この「気にし続ける負担」は、通勤している人が毎晩、無意識に払っているコストです。
終電を逃したときの、あの絶望
そして、ときには逃してしまうこともあります。終電を逃したときのあの感覚を、多くの人が知っているはずです。ホームに滑り込む電車の尾灯を見送る絶望。タクシーで払う痛い出費。あるいは、始発まで時間をつぶす徒労。
たった一本の電車に乗り遅れただけで、その夜は台無しになり、翌日にも響きます。帰る手段が「終電」という一点に集約されているせいで、それを逃すと一気に選択肢がなくなるのです。だからこそ、私たちは終電に対して過剰に神経質になります。楽しい時間を、その一本のために切り上げる。乗り遅れる恐怖が、夜の行動をずっと縛っている。家が遠ければ遠いほど、この縛りはきつくなります。通勤という前提が、夜の時間にまで、こんなにも影を落としているのです。
通勤がなければ、夜は自分のものに戻る
もし、通勤がなかったら、この終電の縛りそのものが消えます。家で働いているなら、そもそも帰りの電車がありません。
夜、友人との時間を、終電を気にせず最後まで楽しめる。趣味の集まりに、時間を気にせず参加できる。レイトショーも、遠出も、二次会も、「帰れるか」で諦めなくてよくなる。一日の終わりの時間を、電車のダイヤではなく、自分の気分と状況で決められるようになるのです。もちろん、翌日のことを考えて早めに切り上げる日もあるでしょう。でも、それは自分で選んだ終わりであって、終電に強制された終わりではありません。この違いは、思っている以上に大きなものです。夜が、他人の時刻表から解放されて、ようやく自分のものに戻ってくる。
夜の時間の主導権を、取り戻す
終電に縛られる夜を、当たり前だと思って受け入れてきたかもしれません。でも、一日の終わりの時間を、自分ではなく電車に決められているというのは、よく考えると窮屈なことです。
夜の時間の主導権を取り戻すために、キャリアや収入を手放す必要はありません。多くのビジネス職で、通勤ゼロや出社を大きく減らして働ける仕事は、実際に見つかります。気をつけたいのは、募集要項の「リモート可」という言葉が、必ずしも通勤のない毎日を意味しないことです。実際は週の大半が出社で、また終電を気にする夜に戻ってしまうこともあります。本当に終電の縛りから解放されるかどうかは、出社頻度の事実で確かめる必要があります。
NoTrainは、掲載する求人が実際にどれくらい出社するのかを、募集要項の原文まで一件ずつ確かめています。終電に区切られる夜から降りたい人が、事実にもとづいて働き方を選べるようにするためです。
まとめ
通勤している人にとって、終電は一日の終わりを区切る見えない締め切りです。夜の予定を終電から逆算し、楽しい時間の終わりにはいつも小さな焦りがついてまわる。逃せば、その夜は台無しになりかねません。しかもその締め切りは、自分ではなく電車のダイヤが決めたものです。通勤がなくなれば、この縛りそのものが消え、一日の終わりの時間を自分の気分と状況で決められるようになります。夜を、他人の時刻表に明け渡す前に、その主導権を一度取り戻せないか、考えてみてください。
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