
働き方・キャリア
一日が「自分のもの」になるのは、何時からですか。

朝、目が覚める。そこからあなたの一日は始まっているはずです。でも、本当にその時間は「あなたのもの」でしょうか。起き上がって、顔を洗い、着替えて、身支度を整える。家を出て、満員電車に押し込まれ、乗り換えを急ぎ、会社にたどり着く。デスクに座って、ようやく一息。そこで時計を見ると、起きてから二時間近くが経っている。
考えてみてほしいのです。その二時間、あなたの一日は「自分のもの」だったでしょうか。 それとも、出社という一大イベントのための、準備と移動に丸ごと差し出されていたでしょうか。多くの人にとって、朝いちばんの、頭も体もいちばん元気な時間は、仕事を始める前にすでに消えています。今日は、この「奪われている朝」を、正面から数えてみます。
「出社の準備」は、思っている以上に長い
出社には、通勤時間だけでなく、その前段の「身支度」がついてきます。起きてから家を出るまでの、洗顔、着替え、髪を整える、化粧をする、持ち物を確認する。人と会う前提だからこそ、この準備には手を抜けません。人によっては、ここだけで30分から1時間かかります。
そして、そこに通勤が乗ります。日本の通勤時間は往復でおよそ1時間19分、年間で約300時間にのぼります(総務省「令和3年社会生活基本調査」)。行きの片道だけでも40分前後。身支度と合わせれば、家を出て会社に着くまでに、朝の1時間半から2時間が消えていきます。しかもこれは、仕事が始まる前の話です。労働時間にはカウントされず、給料も出ません。ただ「会社に行くために整える」ためだけの時間です。
奪われているのは、朝のいちばんいい時間
問題は、その時間の「長さ」だけではありません。奪われているのが、一日のうちで最も価値の高い時間帯だということです。
起きてから数時間は、頭が冴え、意志の力も満タンで、集中力がいちばん高い。この時間に自分の大事なことをすれば、驚くほどはかどります。ところが現実には、その貴重な朝の時間を、身支度と移動という「準備作業」に使い切ってしまう。会社に着いて仕事を始める頃には、朝のピークはとうに過ぎ、しかも移動で少し消耗している。一日でいちばんいい時間を、自分のためにも仕事の成果のためにも使えていない。これは、静かだけれど大きな損失です。
あなたの一日は、何時から始まっているか
ここで、冒頭の問いに戻ります。あなたの一日が本当に「自分のもの」になるのは、何時からでしょうか。
出社する日、多くの人にとってその答えは、良くて始業時刻、実際には「帰宅して一息ついた夜」かもしれません。朝は準備と移動に奪われ、日中は仕事に費やし、夕方はまた移動で消耗する。自分の裁量で自由に使える時間が、一日の終わりのわずかな残りだけになっている。これでは、人生の主導権を、通勤前提の生活に握られているようなものです。
一日の始まりを、他人や移動のためではなく、自分のために使えたら。朝起きて、いちばん元気な時間を、自分の大事なことに充てられたら。それだけで、一日の充実感も、人生の手ごたえも、大きく変わってくるはずです。
朝を取り戻すと、何が起きるか
通勤と、そのための身支度がなくなると、この奪われていた朝が、そっくり手元に戻ってきます。
起きてすぐ、頭の冴えた時間に、いちばん重要な仕事に取りかかれる。あるいは、その時間を運動や勉強、家族との落ち着いた朝食に使ってもいい。人前に出る前提の完璧な身支度をしなくていいぶん、心にも余裕が生まれます。朝が「準備でつぶれる時間」から「自分で選べる時間」に変わる。取り戻せるのは数十分や一時間ですが、それが毎日、しかも一日でいちばんいい時間帯となれば、積み重なる価値は計り知れません。
「在宅でも身支度はいるのでは」への答え
こう思う人もいるでしょう。「在宅だって、多少は身支度をするし、だらしなくは働けない」と。たしかにその通りです。在宅でも顔は洗うし、着替えもします。けれど、決定的に違うのは、その準備が「人前に出るための完全武装」でなくてよくなることです。
満員電車で他人の目にさらされ、取引先や同僚と対面する前提だと、身だしなみに一切の妥協ができません。きっちりした服装、整えた髪、人によっては毎朝の化粧。この「他人のための完璧さ」に、朝のエネルギーと時間が吸い取られていきます。一方、在宅なら、清潔で気持ちよく働ける最低限で十分です。オンライン会議があっても、映るのは上半身だけ。準備にかかる時間も、心理的な負荷も、まるで違います。ゼロにはならなくても、大幅に軽くなる。この差が、毎朝積み重なっていくのです。
朝の主導権を、事実で取り戻す
朝を取り戻すために、仕事や年収を手放す必要はありません。場所に縛られずに成果を出せるビジネス職の仕事は、実際にあります。ただし、ここでも気をつけたいのは、求人票の「リモート可」を鵜呑みにしないことです。実際には週の何日かは出社が必要で、結局その日は朝を奪われる、ということになりかねません。朝の主導権を本当に取り戻せるかどうかは、出社頻度の事実にかかっています。
私たちNoTrainは、掲載する求人について、実際にどれくらい出社するのかを募集要項の原文まで確かめています。あなたの朝が本当に自分のものになる働き方かどうかを、雰囲気ではなく事実で見極められるように、という思いからです。一日の始まりを取り戻したい人にとって、この確認はきっと意味を持ちます。
まとめ
起きて、身支度をして、通勤して。会社に着く頃には、朝のいちばんいい時間は準備と移動に消えています。奪われているのは単なる時間ではなく、一日で最も価値の高い、自分のための時間です。あなたの一日が「自分のもの」になるのが夜だけだとしたら、それは人生の主導権を通勤前提の生活に預けている状態かもしれません。朝を取り戻せば、一日の充実は根本から変わります。
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